【JR青梅線青梅駅前】
耳鼻咽喉科・アレルギー科

睡眠というものは本来疲れた体と脳を休息させる効果があり、そのために寝ている時も呼吸により酸素を取り込むことが必要不可欠です。
しかしながら呼吸が停止すると体の酸素濃度が下がり、疲労が回復しないばかりか、酸素不足を補うべく寝ている際も心臓や脳の動きが活発になります。 これでは休んだことにならず、翌日も疲れが残り、集中力低下や日中の眠気につながります。 ニュースでよくとりあげられる運転事故と睡眠時無呼吸症候群の関連はこういったことにあります。

自覚できる症状としては起床時の口の渇きや頭痛、熟睡感がない、日中の眠気や集中力の低下、だるさがあります。 睡眠時間を確保したにも関わらず、こういった症状のある方は注意が必要となります。
また睡眠時無呼吸症候群も問題となるのは生活習慣病の合併です。 具体的には高血圧、不整脈、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心不全、糖尿病の発症リスクが高くなります。 睡眠時無呼吸症候群から直接死に至ることはありませんが、心筋梗塞や脳卒中などで間接的に死につながるため、予防医学の観点からしっかりと治療するべきです。 すでにこれらの生活習慣病がある方も睡眠時無呼吸症候群を治療することで、状態の改善が見込めます。

大きく2つの原因にわけられます。1つは閉塞型といい、呼吸の通り道である口、鼻、のどが物理的に狭くなり、いびきや無呼吸となります。 狭くなる要因としては肥満（首まわりの脂肪が増える）、鼻炎、鼻中隔弯曲症（鼻の中が曲がっていること）、 元々のどが狭い（扁桃腺が大きい、顎が小さい、舌が大きい）といった構造によるものや喫煙や飲酒による嗜好による影響があります。
もう1つが中枢型といい、通常は睡眠中でも呼吸をするように脳が体に指令をだすのですが、何らかの原因で脳の指令が少なくなることがあります。 そのため呼吸を休む頻度が増え、いびきや無呼吸となります。中枢型は頻度としてはまれですが、痩せている方にも注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる方は日常的に運転や精密機器を扱う場合には注意が必要となります。 睡眠時無呼吸症候群がある人の居眠り運転の経験割合は4～5倍とも言われています。 自身と家族の命を守り、他の誰かを傷つけないためにも疑わしい方は検査を受けることをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群になりやすい方には以下の特徴があります。
・喫煙者や寝る前の飲酒が習慣となっている
・高血圧や糖尿病など生活習慣病がある
・太り気味
・首が太く、首まわりに脂肪がついている
・顎が小さい
・年中鼻がつまっている
・扁桃腺が大きいといわれたことがある

まずは来院いただき、問診や診察から睡眠時無呼吸症候群が疑わしいのか、またその原因となるような体の構造がないかを詳細に観察していきます。 必要があれば内視鏡を用いて、のどの奥まで観察します。
診察の結果、睡眠時無呼吸症候群が疑わしい方には当院が検査を委託している日本睡眠総合検診協会に連絡し、 自宅で行える検査機器を郵送する手配をとります。ご自身の都合のよいスケジュールで検査いただき、実際に睡眠時の無呼吸低呼吸があるのかを調べていきます。 検査の結果は当院にて説明し、内容次第で別の検査や治療にすすんでいきます。

睡眠時無呼吸症候群の程度によって治療法は変わります。重症な方に一般的に行われる治療は CPAP（Continuous Positive Airway Pressure：経鼻的持続陽圧呼吸）療法といい、 睡眠時の呼吸を医療機器によってサポートして無呼吸を減らします。並行して原因がある場合は原因の治療を行います。 肥満が原因であれば減量を、喫煙や飲酒などの生活習慣が原因であれば禁煙や節酒を行います。 扁桃肥大や咽頭（口の中）が小さく、呼吸の通り道が狭い場合には手術により改善が見込める場合があるので、 手術対応可能な病院へ手術を依頼することもあります。また軽度〜中等度の方では睡眠時にマウスピース（スリープスプリントといいます）を装着することで、 半数程度の方が改善しますので、希望に応じて近隣の歯科・口腔外科へマウスピースの作成を依頼します。